ルビーとは
ルビーは昔から美しさや希少性、神秘性に観点から人気のジェムストーンです。複数の産地やカラーの濃淡などがあり、幅広い層の人の身近な宝石として現代も楽しまれています。また40年目の結婚記念日「ルビー婚式」に贈られる宝石としても知られています。産地として有名のはビルマ産ですね。
サファイアと同じコランダムなのですがルビーの赤はクロムが1%ほど混入し濃い赤になっています。
ルビーの語源はラテン語で「ルベウス」
要約
鉱物名:コランダム
主な産地:ミャンマー(ビルマ)、タイ、スリランカ、ベトナム、カンボジア、タンザニア、マダガスカル、モザンビーク、インド、ケニア
モース硬度:9
屈折率:1.762~1.770
比重:4.0
和名:紅玉
誕生月:7月
石言葉:熱情・情熱・純愛・仁愛・勇気・仁徳
産地別解説
モゴック産(ミャンマー)
他の産地にはない柔らかな色味があるのがモゴック産ルビーの特徴になります。ブラックライト等の紫外線に当てると強い蛍光を発し、パープルを帯びた赤になります。
大粒のサイズは希少で、5カラット以上のサイズになるとダイヤモンドを凌ぐ価格にもなります。
モンスー産(ミャンマー)
元々は褐色でそのままでは使用できないものが産出されていましたが、近年の加熱処理の技術向上でモゴック産ルビーに劣らないルビーの生産ができるようになりました。モンスー産は傷が多く安価なものが多いようです。サイズも傷が多いためジュエリーとして使用するには研磨後0.3~1.0カラットと小粒のサイズになってしまいます。
タイ産
チャンタブリのクラン地区で産出されるルビーは色の淡すぎるもの、濃すぎるもの、透明度に欠けるものが多いようです。近年では加熱処理の技術向上で黒みを少なくするなどの色の改良が可能となり、ジュエリーとして使いやすが向上し流通量も増えているようです。
カンボジア産
パイリン地区で産出されているルビーもタイ産と同様に色の淡すぎるもの、濃すぎるもの、透明度に欠けるものが多いようです。カンボジア産も同様に近年では加熱処理の技術向上で黒みを少なくするなどの色の改良が可能となり、ジュエリーとして使いやすが向上し流通量も増えているようです。
スリランカ産
色の淡いものが多いですが、モゴック産に匹敵するものも稀に産出します。スリランカは同じコランダムのサファイアの産地として有名ですが、淡く透明度の高い美しいルビーの産地としても有名です。
品質の見極め方
非加熱
非加熱のルビーは加熱処理のものと比べ、透明度が高くとても美しいジュエリーになります。通常インクルージョン(内包物)が多いのですが、適度なものは最高グレードを与えられます。
加熱処理
元来、捨てられていた褐色のルビーや色の薄いルビーが、近年の加熱処理技術の向上により、炎のような赤色を表現できるようになり、価格も安いため流通を飛躍的に増大させました。一般的にジュエリーに使用されているルビーの大半は加熱処理済みのルビーになります。ジュエリーに付いてくる鑑別書に「エンハンスメントが行われています」と書かれていたら加熱処理済みです。10倍ルーペで内包物を確認すると加熱か非加熱かわかる人もいます。加熱されている場合、加熱処理によりインクルージョンが溶けて白い雪玉のようになるスノーボールインクルージョンが見られます。
ピジョンブラッド(鳩の血)カラーとは
日本ではミャンマー産で一定以上の濃い鮮明な赤色が出るとピジョンブラッドと記載できます。海外では産地関係なく一定以上の濃い鮮明な赤色であればピジョンブラッドと記載されます。元はピジョンブラッドはイギリスの王室がミャンマー産ルビーの濃い赤色に与えた名前のため、日本は忠実に守っているのです。
お手入れの仕方や注意点
モース硬度の高い宝石なので、基本的には傷のつきにくい宝石になります。お手入れ時は熱湯はなるべく避けぬるま湯に浸けたり、汚れが酷いときは中性洗剤を少し混ぜて汚れを落とすとよいです。超音波洗浄機も良いとされていますが、少し傷がついていたりすると欠けてしまう恐れがあるので超音波洗浄機を使用する際は自己責任で行いましょう。
購入時に気をつけることは
まずは「購入前に損をしないための基本」をお読みになることをオススメします
販売時は産地や処理の記載をしない場合が多いです。理由は、特に産地や処理を気にせず買う人が多数存在するためです。サイズ感にもよりますが、価格の安い(数万~約30万円程度)ものだと基本的には加熱処理をされた商品になると思います。一番は気に入ったカラーのルビーを購入することなのですが、気になる方は鑑別書などを見せてもらってから購入することをオススメします。
売却時に気をつけることは
まずは「売却時に損をしないための基本」をお読みになることをオススメします
売却する際は、鑑別書が大事になります。もちろん無くても価値の判断をできる鑑定士はいますが、至るところにいるわけではありません。売却時に損をしたくない方は鑑別書を持参の上、査定をしてもらってください。