サファイアとは
サファイアは通常ブルーサファイアのことを指しますが、産地で色味や品質が違います。実は色んなカラーがあります。産地として有名のはビルマ産かカシミール産ですね。
ルビーと同じコランダムなのですがルビーの赤と違いサファイアのブルーは鉄やチタンの微量元素が元となっています。
サファイアの語源はラテン語で「サフィルス」
要約
鉱物名:コランダム
主な産地:ミャンマー、カシミール地方、タイ、スリランカ、マダガスカル、オーストラリア、中国、カンボジア、ナイジェリア
モース硬度:9
屈折率:1.762~1.770
比重:4.0
和名:蒼玉、青玉
誕生月:9月
石言葉:慈愛・誠実・貞操・高潔・徳望・心の成長
産地別解説
モゴック産(ミャンマービルマ)
15世紀以前から採掘が始まっていたと言われています。モゴック産のサファイアの産出は少ないのですが大粒で美しいものが採掘されます。モゴック産(ビルマ)といえばルビーですが、サファイアとの採掘量はルビーの500分の1ほどと言われています。モゴック産サファイアは通常加熱処理はしません。
カシミール産
上質で落ち着いた彩度の高い青で柔らかい色をしています。現在ほとんど産出されていませんが現存のものは100年ほど前に採掘されたものです。高額なアンティークジュエリーには必ずといっていいほどカシミール産サファイアが使用されています。カシミール産サファイアは通常加熱処理はしません。
スリランカ産
色んな種類の宝石を産出しますが、スリランカ産のサファイアは大粒で淡め、透明度の高い紫がかった美しいものが特徴的です。全体的に高品質です。
マダガスカル産
スリランカ産同様の品質を産出し、サファイアの主産地とも言われています。
パイリン産(カンボジア、タイ国境)
1960年代後半まではサファイアの主産地でしたが、スリランカ産の台頭により、スリランカ産と比較すると若干見劣りするため以前の地位を奪われました。
モンタナ産
産出量は少ないが、色味の淡いサファイアが産出されます。他にもパープル、イエロー、グリーンなどファンシーカラーのサファイアが産出されます。
オーストラリア産
世界でも最大級のサファイアの鉱床ですが、品質はかなり劣ります。世界でも採掘量、値段の安さから人気になっています。グレイがかった非常に濃いブルーが特徴的です。深い青色のため近年ではミッドナイトブルーサファイアとして人気があります。
カンチャナブリ産(タイ)
品質が劣りますが、加熱処理の技術向上により流通量が増えました。
ナイジェリア産
アフリカ大陸のサファイアは歴史が浅く、まだまだ明確なものがわかっていませんが、色んな品質のサファイアを産出します。ファンシーカラーのサファイアも多数採掘されています。
タンザニア産
高品質のサファイアが産出されます。東アフリカはバイカラーなどファンシーカラーも多数産出が確認されていてこれから有望視されている産出地域とされています。
品質の見極め方
非加熱
シルクインクルージョンというルチルが見られます。肉眼~30倍顕微鏡が必要なインクルージョンと差がありますが、加熱するとこのシルクインクルージョンは溶けることが多いため非加熱の特徴のひとつとなります。
加熱処理
サファイヤやルビーのコランダムの加熱処理は温度が非常に高く、ルチル・アパタイト・ヘマタイトなどの他の好物の内包物を溶かしたり破損させたりします。スノーボールインクルージョンや円盤のような縁が見られたりもします。熟練の研磨業者は外観を見て加熱と非加熱を見極めることができるそうです。
シルク・インクルージョンとは
多数の直線傷(細い針のような傷)で交わるものを言います。
お手入れの仕方や注意点
モース硬度の高い宝石なので、基本的には傷のつきにくい宝石になります。お手入れ時は熱湯はなるべく避けぬるま湯に浸けたり、汚れが酷いときは中性洗剤を少し混ぜて汚れを落とすとよいです。超音波洗浄機も良いとされていますが、少し傷がついていたりすると欠けてしまう恐れがあるので超音波洗浄機を使用する際は自己責任で行いましょう。
購入時に気をつけることは
まずは「購入前に損をしないための基本」をお読みになることをオススメします
販売時は産地や処理の記載をしない場合が多いです。理由は、特に産地や処理を気にせず買う人が多数存在するためです。サイズ感にもよりますが、価格の安い(数万~約30万円程度)ものだと基本的には加熱処理をされた商品になると思います。産地により値段差も大きくある宝石なので、上記に記載しているような特徴を知って購入すると良いと思います。一番は気に入ったカラーのサファイアを購入することなのですが、気になる方は鑑別書などを見せてもらってから購入することをオススメします。
売却時に気をつけることは
まずは「売却時に損をしないための基本」をお読みになることをオススメします
売却する際は、鑑別書が大事になります。もちろん無くても価値の判断をできる鑑定士はいますが、どこにでもいるわけではありません。売却時に損をしたくない方は鑑別書を持参の上、査定をしてもらってください。